この度、久々にレンズの入れ替えをしましたマグカメラです。
今回が購入したのがこちら!
SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2 (A032)
そして代わりに手放したのが……
AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
そう、純正の大三元標準レンズからサードパーティーの大三元標準レンズへの置き換えです!
今回はニコンG型標準大三元と比較しながらタムロン標準大三元SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2をレビューしたいと思います。
標準大三元には最強の相棒でいて欲しい
冒頭の通り、純正レンズからサードパーティーへのレンズ置き換えを実施したマグカメラ。 普通逆じゃないか?と引っかかる方も多いと思いますので、まずは置き換えの背景から。
そもそも、僕が今まで使用していたのはAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED。
はい、2015年10月に新型Eレンズが発売してしまったので、残念ながら1世代前のGレンズだったんですね。ただ、一世代前とは言っても写りの面で基本的に何も文句がありませんでした。とにかく安定感が凄いんです。
なにせ単焦点は画質は良いけど足で稼げる中での画角調整しかできませんし、画角が自由自在な便利ズームは、ハマれば良いのですが、全ての写真が満足できる程歩留まりはよくありません。
そんな中、このレンズは標準域という画角の最大公約数的な画角を抑えながら、何を撮っても、どんな環境でも綺麗に写すことができます。この万能感に歩留まりの高さこそ、このレンズの売りなんです!
・・・手持ち暗所を除いては。
そう、このレンズは手ぶれ補正がついていないため、手持ちでのシャッタースピードはせいぜい1/焦点距離が限度。夜間や暗めの室内では、F2.8にしても露出がかなり暗くなるか、ISO感度を上げてノイジーな写真になってしまいます。
結婚式の2次会や街灯下での撮影など、意外と手振れ補正がないことで困る場面は多いです。その上、そんな場面で使える他のレンズが僕の手持ちにありません。大口径単勝点でF値を2.8以下にすれば、露出は稼げますがボケが大きすぎて使いにくい。便利ズームには手振れ補正があるものの、そもそも暗いレンズなので露出が2段以上不利。なにより、僕が標準大三元に求めたいのはどんな環境でも満足できる写真を撮れる万能な相棒!
ということで、手振れ補正のついた標準大三元を求め、今回TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2 (A032) の購入に至りました。
ん?純正Eレンズにも手振れ補正がある??そんなの知りません(財布を見ながら・・・)
手振れ補正で広がる撮影機会
ということで、最初の比較は今回の購入の一番の肝である手ぶれ補正。公式HPによると『クラス最高の手ブレ補正効果5段』を達成とのこと!
早速、純正Gレンズと比べながら、その実力を見てみましょう。
最も手ぶれ補正が不利な望遠端70mmで、シャッタースピードを変えながら、それぞれの相手のレンズを撮影してみました。条件はf8.0のISO AUTO(上限ISO1000)。参考に等倍画像も貼り付けてありますが、これは等倍画像のスクリーンショットを縮小して貼り付けたものなので厳密には等倍ではありません(ややこしい・・・)
どうでしょう?1/4でアウト。適正である1/80から流石に5段とはいきませんが、1/8までであれば十分に実用レベルというイメージを受けました。歩留まりを考えても1/15あれば十分です。流石は手ぶれ補正のTamron!このレベルだとむしろ撮影側より被写体ブレがネックになるレベルです。
一方、手ぶれ補正のない純正はというと・・・
1/15はブレブレで使い物になりません。1/30もかなりきつい。1/60ならどうにか・・・というところ。1/125でようやく安心できるところですが、室内だとISOが上限1000に達してしまい、Lightroomで適正露出まで補正するとノイズが目立ちます。F値をもう少しゆるくすれば多少は改善できるでしょうが、限界が近いのは明白。
手振れ補正によって、1/125から1/8まで手持ち撮影の可能性が広がる!!これは相棒レンズとして心強いことこの上ありません!
サードパーティーでも大三元は流石の写り
手ぶれ補正は良いものの、肝心な写りはどうでしょう。
写りについては長期間使いながら、また別で長期使用レビュー記事を書きたいと思っています。が、購入して1ヶ月強のマグカメラ的な印象でいうと、このレンズはAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDと変わらない超優等生的な描写で、かなり信頼感のあるレンズという印象。
そもそもAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED自体、AF-S NIKKOR 58mm f/1.4mmやCerl Zeiss Makro-Planner f/2 のように、描写に感動する、たまにハッとするような写真がとれるという類の写りの良さではありません。
AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDの写りの良さというのは、どれだけ適当に撮ってもほぼ全ての写真に文句がでない歩留まりの良さ、安定感だと思っています。当然構図等レンズに関係ない要素は無視ですが笑
それを可能にしているのが、ズーム全域でレンズ中央から隅まで安定して優秀な解像度・描写をたもちつつ、なめらかなボケ、色収差を達成するレンズ構成。そしてナノクリスタルコーティングによる逆光耐性。要するに、レンズを評価するすべての尺度で、飛び抜けはしないものの優秀な値をマークしているんです。
一点特化の天才というよりは平均点で勝負する秀才、優等生という言葉がしっくりくるレンズ。
そして、今回購入したTamron SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2 (A032) も、純正Gレンズと同じく優等生的な傾向。
一点特化の特徴的なレンズならレンズによって方向性もガラっと変わってしまいますが、平均点で勝負する優等生レンズというのは目指すところが同じですので、メーカーが変わってもゴールはそう変わりません。
Tamron SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2 (A032) は描写面ではAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED同等というのが今のマグカメラの結論です。どっちが上ということもありません。写りの向上を期待するなら買い替え不要ですが、手ぶれ補正を目的とする置き換えという意味では、満足いく描写だと思います。
AF速度は遅くなる・・・けど思ったより悪くない
純正とサードパーティーで一番の差が出てくるのがAF速度だと思います。
カメラ本体のデータに合わせて設計されている純正レンズに比べ、カメラデータはリバースエンジニアリングの賜物かつNikonだけでなくCanonも見据えながら設計されるサードパーティーレンズ。当然、開発のハードルは段違いですよね。
じゃあ、一体どれだけ差があるのか。動画を撮って比べてみました。
まずは広角端24mmから。
次に望遠端70mm。
どうでしょう?純正の方が早いですが、思ったより変わりません。実際に撮影してみた感想としても意外と早いじゃんというのが感想です。 まあ、純正は大抵の環境でこの速度ですが、Tamronの方は迷うこともあるので、トータルでみるとやっぱり純正の方がAF速度は安定していますが。
ただ、相手が爆速のAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDだから見劣りするように見えるだけで、少なくとも純正便利ズームであるAF-S NIKKOR28-300mmと比べると段違いの早さ。実用の範囲というレベルに収まらず、実際頼りになる速さだと思います。
繰り出し式でコンパクト化
最後に外観です。
共に繰り出し式レンズですが、純正の方はフードを付けると、フードの内側でだけ繰り出しするので一見繰り出しなしのインナーフォーカス式レンズに見えます。一方で、Tamronの方がガッツリ繰り出し式。
一般的には繰り出し式より鏡筒の長さが変わらないインナーズーム式を好まれる方が多いと思います。
ただ、24mm-70mm f/2.8ほどのレンズをインナーズームにしようとすると相当な長さになってしまいます。厳密にはインナーズーム式じゃない純正レンズでもこの長さ。
ぶっちゃけ長すぎて、少し大げさな姿に。これにフードをつけると最早望遠レンズです。これだけ全長があると、カメラバッグもかなりスペースをとりますし、体から下げていても取り回しに気を使います。デザイン的にも個人的には若干ひょろ長さを感じ間抜けな印象。
一方、Tamronのこのしっくりくる長さよ!多少太さは目立ちますが、カメラボディに対してのフィット具合が素晴らしい!
当然望遠時に繰り出した姿が格好良いとはお世辞にも言えませんが、AF-S 28-300mmのようなダサいレベルでもありません笑
個人的には必要な時のみ伸びる方が機能美を感じます。
また、繰り出し式の明確な弱点として防塵防滴性の不利があります。が、Tamron標準大三元は敢えて簡易防滴を謳っています。一方純正Gレンズは防塵防滴性に対して言及なし。
もちろんTamronに対しNikonの基準が厳しいだけで、純正Gレンズにもマウント部にシーリングはありますし、多分ある程度防塵防滴性があるのでしょう。
それでも、敢えてメーカーが宣言するかしないかでは安心感が違いますね。
※ちなみに、純正最新のEレンズには防塵防滴がしっかり謳われてありますのでタフに使う方は高くてもEレンズを購入されるのがおすすめ。Gレンズ以上に長くて取り回ししにくいこと以外は完全に上位互換だと思います
マグカメラ的まとめ
ということで、純正Gレンズに対し手ぶれ補正が欲しくて今回実施したTamron SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2 への入れ替え!懸念事項だった写りは純正同等、AF速度もそこまで劣っておらずということで、個人的には大満足の入れ替えとなりました。
もちろんレンズの評価、とくに写りの評価は一朝一夕でできるものではありません。長期的に使っていくなかでまた印象に変更があれば、追記なり新しい記事なり作ろうと思っていますが、購入後2ヶ月程度のファーストインプレッションとしてはかなり好印象です。
この出来で10万円ちょっとという価格というのはもうバーゲンプライスですね。なにせ純正なら新型のEレンズどころか、今回比較した旧型のGレンズですら20万円コース。少なくともGレンズとこのレンズに10万円の差は絶対ありません。
標準大三元らしい弱点のないレンズとなっていますので、フルサイズカメラユーザーなら必携の一本だと思います。
今回はここまでです。お読み頂きありがとうございました。