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ながら聴き完全ワイヤレスイヤホンの新定番Shokz OpenFitレビュー

こんにちは。前回記事でオープンイヤーのヘッドセットOpenCommへの感動を長々語らせて頂きました。

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このOpenCommの唯一の欠点が、音楽視聴に向かないというところ。ブームマイク付きのものを付けて街歩きする気が起きないことと、骨伝導ゆえの低音が弱いという2点もあり、OpenCommはやっぱり仕事専用なんですよね

でも、カナル型のイヤホンが嫌いな僕としては、ながら聴きできる音楽視聴用のイヤホンも欲しい!!

そう思ってふと調べたら、最適なものがありました。それが、OpenCommと同じShokzから出ているTWS(True Wireless Stereo)、OpenFit!!ネックバンドやイヤホン間のケーブルの無い完全ワイヤレスイヤホンです。

見つけた当時クラウドファンディング募集中だったのですが、ぶっちぎりで予定額を超え1億円以上も集めていたこともありすぐ飛びついてしましました。ということで、今回はOpenFitリターンから1ヶ月半以上使ってみた感想を語ってみたいと思います。

オープンイヤー完全ワイヤレスイヤホンという選択肢

全てはOladanceから始まった

そもそも最初にオープンイヤー式完全ワイヤレスイヤホンの存在を知ったのがYoutubeのOladance OLA02の紹介動画でした。

どこも、「まるでスピーカーから聴いているみたい」「装着感がなく快適」「世界が変わる」など大絶賛。OpenCommでオープンイヤーの良さを実感していた僕はすぐに欲しくなったのですが、引っかかったのがそのデザイン

ドライバユニット側じゃない方にも、バッテリーなのか送信ユニットなのか"球"がついています。なんかすごく装着感が悪そうだし、野暮ったいなと思いました。またツルツルした質感も筆者の好みではありませんでした。そういう背景もあり、いまいち踏み込めないでおりましたが、ふと気がつきます。

そういえば、Shokzの完全ワイヤレスイヤホンってないんだっけ??

骨伝導をやめたShokz

・・・ありました。まさかのクラウンドファンディング中の新製品!!(現在は終了して無事正式販売中です)

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驚いたのが「響き渡る豊かなサウンド。カスタマイズ・ダイナミック・ドライバ搭載」という文言。え!?骨伝導じゃないの!!?

でも、確かに骨伝導のOpenCommを使っていて「骨伝導だから良かった!」なんてこと別になかったんですよね。オープンイヤー形状であることと、着け心地がよいことが気に入ったのであって、音の伝達方法は正直なんでもいい。物理的に骨伝導だと低音を伝えにくいというのも聞いていたので、ここで敢えて骨伝導を辞めたのは英断だと感心しました。

OpenFit

ということで、ここからはOpenFitの特徴や使ってみた感想を紹介したいと思います。

OpenFitの特徴

  • 左右を繋ぐケーブルのないコンパクトなTWSタイプ
  • 着け心地のよいドルフィンカーブ
  • 心地よさしかない超軟質シリコン
  • 骨伝導ではなく空気伝導
  • 18×11mmのカスタマイズ・ダイナミック・ドライバー・ユニット
  • 非接触充電非対応
  • マルチポイント接続非対応
  • 一回の充電で最大7時間、ケース給電込みで最大28時間のリスニング
  • 5分の充電で1時間のバッテリー駆動
  • タッチパッドでのタッチ操作

OpenFitの良いところ

とにかく素晴らしい装着感

OpenCommの装着感を知っていたので元々心配してなかったのですが、誇張なしに着けているのを忘れる程に自然な装着感が最高です OpenCommはネックバンド式だったので寝っ転がれないし、気にならない程度微小な締め付けはあるのですが、OpenFitはそういった僅かな違和感もないです。完全なフリーです。

耳をかけるところのドルフィンアークイヤーフックの出来はもちろんなのですが、ドライバーのある部分が上手く耳にハマるのも、人間工学的によく出来ているなと感心します。着け心地は本当に文句なしの花丸です

一生つけてられるので、通勤時や料理中、庭仕事時や喫茶店でなど、どんな場面でもとりあえず着けておけば、小型スピーカーを置いているかのような感覚で音楽に乗りながら快適に作業ができます。素晴らしいです。

OpenCommから格段に進化した音質

骨伝導を辞めてまでこだわった音質です。
そもそもオンライン会議用のOpenCommと比べるなという話ではありますが、音質は滅茶苦茶良くなってます。骨伝導で苦手だった低音も克服され、本当にスピーカーから聴いているような感覚で違和感なくリラックスして聴けます

クラウドファンディングする時に一番不安だったのがこの音質でした。音楽鑑賞メインで買って音質がイマイチだったらがっかりどころの騒ぎではないですからね。あまりに不安すぎて、実はOpenFitと同時に同じくオープンイヤータイプの完全ワイヤレスイヤホンであるCleer ARC2にもクラウドファンディングしているくらいです。18×11mmのドライバを搭載したOpenFitに対し、16.2×16.2mmの大型かつ正方形ドライバを採用するCleer ARC2の方が音質がいいのではないかと思って同時に投資しました。頭おかしいですね

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ARC2は執筆時点でまだリターンが届いていないのですが、OpenFitを使ってみて「同時投資は少し早まったかな・・・」と少し後悔するくらいOpenFitの音質は十分満足できるものでした

スタイリッシュで格好いい!

また、OpenFitが本当に優れているなと思うのが、そのスタイリッシュでスマートなビジュアルです。Oladanceや、別途購入しているCleer ARC2と比べてもダントツでミニマルで格好いいと思ってます

多分このスマートなデザインの代わりにドライバーが長方形になってしまったのだと思いますが、不安だった音質も全く問題ないレベルだったので、問題なし!

よりスペックの高いCleer ARC2がクラファンで5000万円集めたのに対し、OpenFitが4倍の2億円強を集めることができたのも、このデザインに寄る所が本当に大きいと思ってます。カラバリも黒とベージュでどちらもユニセックスに使えそうな所が良いです。文句なしで格好いいです!

接続のスムーズさ

大抵の方がスマホとペアリングしてOpenFitを使うことになると思いますが、OpenFitの場合一度ペアリングしておけば、以降ケースを開けた瞬間にスマホと自動接続してくれます。本当にスムーズに繋がるので、普通にケースを開けて耳に装着したら、すぐに音楽が再生できます。

最高です。

筆者はiPhoneユーザーですが、まるでApple純正デバイスかのようなスムーズな接続。本当に快適です。まあAirPods持ってないので比較できないんですけど

また、ペアリングはケースの蓋を開けた状態でイヤホンL/R双方のタッチパッドを長押しで行います。長押しではあるのですが、感覚として「長いな」と思う前にペアリング待機状態になってくれるので快適です

僕はメインのスマホだけでなく、会社支給スマホや会社PCにもたまに接続するのと、TVの Bluetoothトランスミッターに接続したり、嫁が使ったりすることもあり比較的ペアリング操作が多いので、ペアリング操作が簡単なのは良いですね。

OpenCommペアリング時の長押しより長押し感がなくて良きです

とにかくコンパクト

これぞ完全ワイヤレスイヤホンを使う最大のメリットです!ネックバンド式のOpenCommに比べで格段にコンパクトです。

一方で、オープンイヤータイプは耳にかける部分が必要なので、どうしてもカナル型の完全ワイヤレスイヤホンよりは大きくなってしまいます。これはどうしようもないですね。ただ、ここまで小さくなれば、最早誤差の領域。ポケットに入るサイズなので持ち運びには全く困らないです

OpenFitのいまいちなところ

電車や幹線道路では聞こえにくい

オープンイヤータイプを買う以上避けられない問題ですが、実際使ってみて一番気になったのが周りがうるさいと全然聞こえないという所。

思ってた以上に周りの音に左右されて聞こえやすさが変わりますね。もちろん音量を上げればちゃんと聞こえるのですが、あんまり音を大きくすると耳を悪くしそうで、なんとなく避けがちです。

電車や飛行機での使用が多い方は、オープンイヤー型を購入するより外音取込み機能のあるカナル型イヤホンを選ぶのもアリかなとは思います。カナル型の着け心地に拒否反応がなければ・・・

ただ交通量の多い道路でカナル型イヤホンで遮音してしまうのは、それはそれで危険ですからね。交通安全という意味では、幹線道路沿いはやっぱり音楽聞こえにくくてもオープンイヤータイプの方が良いとは思います。

シーンに応じて聞くコンテンツを変えるなんてのもアリですね。筆者は通勤時に電車も幹線道路も住宅街も通るのですが、電車ではインスト曲などうっすら聞こえるBGMくらいの割り切った使い方をしています。幹線道路沿いではいつも音楽ではなく英会話Podcastを聴いているので、ちょっと音量を上げて対応。住宅街では、特に帰宅時は一番好きな曲を聴きながらノリノリで帰宅しています。

音量調整がイヤホン側でできない

OpenFitはタッチ操作が可能なのですが、タッチ操作でできるのが再生/停止(L/Rどっちでもいいので2回タップ)、前の曲L側を長押しタップ)、次の曲(R側を長押しタップ)の3パターンのみ。うーん、ちょっと少ないです。 外部の音に影響を受けやすい以上音量調節は必須なのですが、いちいちスマホで音量調整がいるのはちょっと手間です。

僕の場合、Apple Watchを使用しているのでデジタルクラウン回せば音量調整できるので、実際はそう困っていないですが、スマートウォッチが無い方は少し気をつけた方がいいかもしれません。

非接触充電欲しかった

非接触充電対応してないのも少し残念です。 これは現状筆者が調べる限りどのオープンイヤー型完全ワイヤレスイヤホン対応も対応していないので、ベンチマークの結果削ぎ落としたのかもしれませんが、一社くらい対応してくれていても・・・

マイクはオンライン会議のメインデバイスでつかえるほどではない

相手がまるでここにいるかのようなAIコールノイズキャンセリングという売り文句があったので実は少しだけマイク性能にも期待していたのですが、やっぱり餅は餅屋ですね。ブームマイクがついているOpenCommからOpenFitに変更してオンラインミーティングに参加したら皆にすぐ気づかれてしまいました。曰く、少しこもった声がするそうです。

また、職場で使用した際はPCとの相性なのか、周りに人が多くてAIコールノイズキャンセリングが重くなるのか分かりませんが、「音声が伸びる」とたまに指摘されることもありました。

できれば出社時の荷物を減らすべくOpenCommから移行したかったのですが、そこまでの通話性能はなさそうでした。あくまでOpenCommを忘れた時の代用品くらいの運用に留まりそうです。

ぶっちゃけ感動するほどの音質ではない

良いところで音質褒めたくせにと突っ込まれそうですが、正直感動するような音質を味わうものではないです

確かに、スピーカーから音を聴いているような視聴体験には感動するのですが、そのスピーカ自体は小型のアクティブスピーカーのような感じです。正直、全然文句のない音質で、何も不満はないです。ただ、この小型スピーカーでは、DALIのようなパッシブスピーカーとプリメインアンプを初めて使った時のような感動の音体験は得られません。

そういう別格の音体験はイヤホンに、、、少なくともオープンイヤー型に期待するものではないですね。スピーカーと比較するほが悪いです。音質が悪いとは決して思うことはなく、全く不満の無い音ではあります。でも、過剰な期待をしすぎており、最初に聞いた時こんなものかと思ってしまったのも事実。その後、自分のプレイリストを聴き続けるうちに「あれ?最初がっかりしたきもするけど、意外とどの曲もかなりよく聞こえてるぞ!?」と評価を見直したのが偽らざる実感です。

ただ、正直オープンイヤー形状のながら聴きイヤホンなので、イヤホン単独の音質より外部の環境音の影響の方が大きいです。音質をこだわりきるにはやっぱりヘッドホンやカナル型イヤホンになる気がしますね。カナル型イヤホン苦手なんだよなあ・・・

まとめ

自分にしか聞こえない小型スピーカーのような取り回し

ということで、OpenFitを1ヶ月半以上使用した結果を語ってきました。結論として、かなり良いデバイスだけど個性があるので合わない人もいそうというのが率直な感想です。ただ、まるで自分にしか聞こえない小型スピーカーをどんな場所にでも持って行けるかのような素晴らしい音楽体験は他では得難い素晴らしいものがあります。

また周りの音を聞きながらの視聴という点で英会話学習にもいいなと思いました。実際に英語で話すときに相手の声以外無音なんて環境はそう無いですからね。

OpenFitがおすすめな人

  • 家事や庭作業しながら音楽を楽しみたい人
  • 1日中イヤホンを着けて、聴きたい時にコンテンツをすぐ楽しみたい人
  • イヤホンは着け心地が一番な人
  • カナル型イヤホンを長時間着けていると苦痛な人
  • 交通量の多い道路で音楽を聴きたい人

OpenFitが合わない人

  • 電車通勤時や飛行機で使うイヤホンを探している人
  • 音質を極めたい人、強くこだわりのある人
  • スマートウォッチを持っていない人
  • ヘッドセットの代わりとして使おうとしている人
  • 非接触充電が必須の人
  • マルチポイント接続が必須の人

結論

で、結局OpenFitは買いなのか?
結論から言うと、当然買い、、、だけど音質面でCleer ARC2への期待が捨てられないというのが本音のところです。

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同時期に、というかOpenFitのクラファンを見て慌ててクラファン始めた感すらあるド競合のCleer ARC2。少し後発なだけあってスペック上だとOpenFitを完全に凌駕しており、着け心地もリターン納期1ヶ月遅らせてまで金型修正してブラッシュアップしています。正直待てるならCleer ARC2の評判が出てから買うのを決めても遅く無いかな、と思います。執筆時点の計画だとクラファンのリターンすら8月上旬到着のため、正式発売はまだまだ先になりそうですが・・・

ただ、どれだけ金型修正したところで全体的なデザインを見るからに、装着感はOpenFitの方が優れているように見えます。これはもう覆そうには思えません。ペアリングや接続関連のスムーズさも良いし、デザインも正直OpenFitの方が僕は好みです。ながら聴きイヤホンだし、微細なスペックより装着感やデザインを重視されるのであれば、現時点でOpenFitは文句なしの選択肢

スペック表に表れないデザインやUXの面で優れており、良いものを使っている実感を得られるデバイスです。買って後悔することは無い逸品だと思いますので、興味があれば是非試してみてください。OpenFitにしろ、Oladanceにしろ、Cleer ARC2にしろオープンイヤー型の完全ワイヤレスイヤホンは一つあると世界の変わる素晴らしいデバイスだと思います

今回はここまで。ありがとうございました。