こんにちは、温泉フリークという訳ではありませんが、人並みに温泉が大好きなマグカメラです。
社会人になってからは一年に一度は温泉街に訪れてきたマグカメラ。愛知近辺では、西浦温泉や下呂温泉。少し遠くでは、奈良の洞川温泉に長野の昼神温泉。
どこも良かったし、特に西浦温泉や下呂温泉は旅館も少しお金をかけたので快適でした。…が!!
次第にむくむくと沸き上がってくる一つの思い。もっとの湯花で濁ったくらくらするような濃い温泉に入りたい!!
特に下呂温泉の水明館でも、そこまでがっつりと硫黄が香る温泉でないことに少しがっかりした記憶があります。(旅館自体は非常によかったのですが)。僕のイメージしている、ぬるぬるした、白い濁りのある古きよき情緒溢れる温泉って意外とありません。
だったら歴史ある温泉街、歴史ある旅館にいくしかない!!ということで、今回は創業260年の歴史をもち、有形文化財にも指定されている歴史の宿、金具屋さんに泊まってきました。
僕と同じくもっと本格的な温泉に入ってみたいという方の参考になれば幸いです。
渋温泉街とは。
今回訪れた金具屋は北信州渋温泉街の中心となる旅館です。
下呂や草津、別府といった有名どころと比べると若干聞き馴染みのない渋温泉。特に愛知からだと距離もあることから「どこだっけ?」と返される事が多々あり…
そんな渋温泉を一発で説明するとしたらこの一言です。
猿が入る温泉!!
世にも珍しい源泉につかるサルがいるとして、日本だけでなく世界的な観光地と化してきている地獄谷温泉を含む渋温泉郷!
地獄谷から2km、徒歩でも30分程度で歩けるところに渋温泉街があります。
そんな、渋温泉の最大の魅力は全ての旅館、そして全ての外湯が全て100%源泉掛け流しであるということ!!
下呂温泉は有名な水明館ですら、一部の貸切風呂しか源泉掛け流しでなかったのに比べ、これは衝撃です。
金具屋に到着。
温泉を堪能すべくチェックイン開始時間3:00早々に到着したマグカメラ一行。
金具屋の専用駐車場は金具屋から10分程離れたところに位置しています。
車を降りるとすぐに感じる温泉の香り!なんとすぐ近くに源泉?がありました。
車を降りた瞬間からもう、今までの温泉街との違いを感じます。これだよ、これ!ずっと求めていた古きよき温泉街の雰囲気!!
これまた趣のある橋を渡り(若干怖いです)
情緒豊かな温泉街を進むと金具屋さんに到着。
途中、源泉専用の配管用マンホールを見つけたり
こんな貼り紙を見つけたり、とにかく風情がありすぎてテンションがあがります。
創業260年とだけあって、金具屋さんの内部も非常に情緒溢れる様子!千と千尋の神隠しのモデルになったというのも納得です。
今回泊まる部屋は最安の一人15,000円コースのものでしたが中々立派。
金具屋がすごいのは、温泉どころか水道まで源泉が流れているところ。おかげで、館内の蛇口は塩だらけ。一番すごいものでこんな蛇口もみつけました笑
そんな源泉だらけの金具屋さんですが、館内に3つの大浴場と5つの貸切風呂、館外に渋温泉街の宿に泊まっていれば誰でも入湯できる9つの外湯があり、合計17つのお風呂が入れます。マグカメラは一泊二日の予定。こんなに入れるかなあ…笑
渋温泉、九湯外湯巡り。
ということで、早速9つの外湯巡り。部屋に備え付けの鍵を使って、入ります。取り敢えず、近場の二番湯に入ってみます。
よく言えば古き良き、悪くいえば若干汚い…。まあ、外湯は共同風呂だもんな…と思いながら足を浸けてみると
熱っっい!!
想像以上にとんでもない熱さです。渋温泉の売りは熱いお湯にあると聞いていましたが、なるほどこれは熱い。地獄谷と呼ばれるのも納得です。
二番湯をでて相方を待っている間に、お土産屋さんのおばちゃんと談笑。おばちゃん曰わく「外湯は大体どこも一緒だから入れるところに入ったらいいよ」とのこと。「ただ、九番の大湯だけは熱くても我慢して入った方がいい」そうです。このアドバイスを受け、九湯湯巡りの方針転換。取り敢えず、九番湯にしっかり入ると決めて、他のお風呂は軽く浸かる程度に回ってみました!
ぱっと浸かった程度ですが個人的によかったのは
一番湯:初湯
四番湯:竹の湯
六番湯:目洗いの湯
この辺のお湯は、どれも趣のあるお風呂場でしたね。お湯によっては湯花が浮いているのも本格的で良い感じ。
本当はそれぞれ効能の異なるお湯なのですが、六番湯の目洗いの湯が眼病に聞く以外ば覚えていません…笑
少ししか浸かっていませんが気持ち良かったなあ…
そして、本番!
九番湯:大湯
九湯巡りの最終点。既に5時過ぎという時間帯や九番湯の人気に加え、唯一宿泊せずに日帰り入浴できる点から、常に入湯客がおり写真は撮れず…
人気なだけあって、やはり他の八湯と比べて段違いで風情がありますね!っていうか、これぞ僕の求めていた古きよき本格温泉!!泉質も非常に濃く、これが共同風呂というのは信じられません。
普通の温泉街にこのお風呂があれば、それだけで一番人気の宿になれるクオリティだと思います。
き、気持ち良い~~…
金具屋を堪能する。
17:30くらいに金具屋に戻り、チェックイン時に予約していた館内文化財ツアーに向かいます。
昭和11年に完成した「金具屋斉月楼」と「金具屋大広間」は平成15年に国の登録有形文化財に登録されています。つまり、金具屋は館自体が一つの文化財で観光地であり、話を聞けば聞くほど面白い建物です。
特に金具屋が特殊なのは、通常神社仏閣の建築にだけ携わる宮大工による異例の建築であるというところ。宗教建造物に対し通常遊びは厳禁ですが、旅館であれば自由に建築可能。技術はあってもルールに則った建築しかできなかった宮大工の遊び心が詰まっているのが金具屋の面白さなんです。
窓枠など至るところに水車の廃材を利用していたり、
廊下の中途半端なところに仕切りがあったり(もちろん理由があります)
天井の格子にすら、その当時の環境や経済の事実が反映されていたり、とにかく細かい所に歴史を感じられのが面白いです。ネタバレになるので詳細は省きますが、金具屋に泊まって、実物を見ながら話を聞いてみて下さい。ツアー自体は無料ですので、是非チェックイン時に参加を申し込むことをおすすめします!
大広間から始まるツアーが終わると、再び大広間に戻り夕食です。
予約時に「しぶのじぶ煮」コースと「りんごで育った信州牛のしゃぶしゃぶ」コースを選べます。しぶのじぶ煮というのは、金具屋オリジナルの信州仕立ての治部煮とのこと。僕たちはしゃぶしゃぶより珍しいので、すぐに「しぶのじぶ煮」をセレクト。しゃぶしゃぶに比べ、一人4000円ほど安いのもポイントです。
山菜と川魚メインなので派手さはありませんが、食べてみると以外と豪勢です。
メインのじぶ煮も美味しいのですが、特に美味しかったのがゴマ豆腐と揚げ出し木の葉隠し椀。
特にキノコの揚げ出しが絶品です。
風呂上がりの火照った体に、ビールが進む進む!!
田舎のご馳走とお酒といった感じで、食事もかなりよかったですね。
19:00を過ぎると金具屋のライトアップが始まります。酔い醒ましに写真撮影。
やっぱり雰囲気のある外観だなあ…
3つの大浴場と5つの貸切風呂。
食事が終われば、後は温泉を楽しむだけ!館内の3つの大浴場と貸切風呂を味わいます。
鎌倉風呂
鎌倉風呂と浪漫風呂は片が男湯、もう片方が女湯という関係で日替わりになっています。
まず、マグカメラが最初に入ったのが鎌倉風呂。というか時系列的にはこのお風呂が一番最初のお風呂。到着早々、外湯巡りの前に入りました。
渋温泉に来て最初の温泉だったこともあり、感動は一塩。埼玉から来られた年配の方と一緒になり、話が弾みます。
こういった一期一会の出会いも旅の醍醐味です。
露天風呂 龍瑞
食後に入ったのがこちらの露天風呂。鉄成分がメインの金具屋のお風呂では唯一硫黄分を含むお風呂です。
硫黄の匂いが篭もらないよう露天風呂にしているようで、考えられてますね。
石の枕があり、寝転がりながら浸かることができるスペースもあります。温まった体を半分湯から出し、寝転がるととても涼やかで快適でした。寝てしまいそうなくらい・・・笑
浪漫風呂
最後の大浴場である浪漫風呂。男湯に入れ替わった2日目の朝一に入湯です。
中央にローマの噴水を模した洋風のお風呂。ステンドグラスもあり、レトロな可愛いらしさのあるお風呂。
男でも気分が良いですが、女性には特に嬉しいのではないでしょうか。
ステンドグラスを味わうためにも日がでているうちに味わうのがおすすめです。
美妙の湯
続いては貸切風呂。貸切風呂は予約製ではなく、鍵が空いていたら自由に入り、内側から鍵をかけるスタイル。カップルや家族で入ることができますね。
さすがに5つ全て入れないので、見て周りながら2つセレクトして入りました。
そのうちの一つがこの美妙の湯。
サワラなど木曽の銘木を使った円形のお風呂。窓を開けて露天風呂のようにもできます。
ちなみにこの蛇口は美妙の湯で見つけました笑
和予の湯
舟形の浴槽が特徴的な和予の湯。貸切風呂で一番大きい浴槽です。深さも反面が浅くなっており、子供が浸かるも良し、半身浴も良しです。
5つの貸切風呂全て見学はしましたが、この和予の湯がずば抜けて立派です。これだけは是非入って欲しいですね。
外湯の九番湯にあたる、貸切風呂の決定版が和予の湯といった感じ。
斉月楼1階なので、通りがかる機会も多く、通るたびに鍵を確かめてようやく入れました笑
すこし足をのばして。
ということで、読んでいただければ分かる通り一泊二日で入りきれない程の温泉が楽しめる金具屋。
温泉巡りだけでも十分以上楽しめるのですが・・・愛知からだと休憩なしでも車で4時間という立地。せっかくだったら温泉以外も楽しみたいという方向けに、+αで楽しめるスポットをご紹介
地獄谷野猿公苑で野猿鑑賞
まあ、これは定番のセットですが、やっぱり地獄谷の野猿鑑賞ですね。
マグカメラが行ったのは6月下旬の晴天日。かなり気温も高かったため流石に温泉に入る猿はいませんでした。
その代り、春・夏は小猿、秋は紅葉と猿のセットを楽しむことができます。地獄谷というと冬の温泉に浸かる猿ばかり有名ですが通年で楽しむことができます。冬以外はオフシーズンなので、比較的空いているのもポイント。
アクセス的には金具屋から山道を2km程。それなりに細い道を通るため、駐車場まで車で5分~10分くらいかかります。駐車場から10分以上歩くため、動きやすい格好がおすすめです。
郷土食堂でそばランチ
郷土とかいて「ごうど」と読みます。金具屋から8.4km程のところにある有名なお蕎麦屋さんです。金具屋から上信越自動車道へ向かう途中にあるのでアクセスもしやすいです。
つなぎに山ごぼうの茸毛を利用した信州そばの中でも「幻のそば」と呼ばれる冨倉そばのお店!・・・なんて事はよく知らず、有名店というだけで寄ったのですが、想像以上に絶品でした!
メニューもそば1点勝負なのが潔いです笑
おすすめは、「やまびこしめじ天ざる」!相方が頼んだのを少しもらったのですが、想像以上に肉がしっかりしたきのこで美味しい!それにきのこの天ぷらがたっぷりあって満足感高そう!!きのこフリークの僕にはたまらない一品。
というかなんできのこフリークなのに山野山菜天ざるを頼んだんだ僕は・・・笑
軽井沢・浅間山でキャンプ
金具屋から車で1時間半程で軽井沢。
車で1時間半が「少し足をのばす」程度か?という意見もあるかもしれません。ただ、愛知からだと金具屋も軽井沢もだいたい同じく片道4時間かかります。
東海からだと信州は以外と遠いです。1時間半移動するだけで軽井沢も渋温泉もいけちゃうならセットで行ってしまうのがおすすめ。
僕たちは1泊目を日中軽井沢→浅間山でキャンプで過ごし、2日目に金具屋へ移りました。前日のキャンプのおかげで、なおさら金具屋でのゆったりさを実感でき、おすすめのプランですね。
マグカメラ的まとめ
ということで、想像以上に本格温泉旅館だった金具屋のご紹介でしたが如何だったでしょうか。
個人的には、人生で入ってきた温泉の中で、ダントツ1番で感動した温泉です。もう2位以下にダブルスコア以上のぶっちぎりです。
雰囲気やお風呂の豊富さは読んで頂ければ分かったと思いますが、当然泉質もかなり良質。特に帰ってから1週間の間は肌がびっくりするくらいすべすべになります。男なので普段肌の調子など一切気にしないのですが、金具屋帰りは気付かざるを得ないくらい明確に肌の調子が変わりました。
特に、お風呂に入ると尚更肌のすべりを実感でき、1週間の間、お風呂にはいるとついついすべすべしてしまう程!
温泉好きな人もそうでない人も、人生で1度は行っておくべき温泉宿だと思います。
ネックは中々予約が取れないことですが、繁忙期の冬を避け、なおかつ日曜の宿泊であれば、2,3週間前からでも予約は取れると思いますので、月曜に休みをとって攻めるのがおすすめ。
マグカメラは一番安い金具屋満喫シンプルプラン(しぶのじぶ煮スタンダードプランの客室Cプランと同等)でしたが、それでも大満足です。
貸切風呂もあるのでできるだけ混み合うタイミングを避けて、ゆったり過ごすのが良いと思います。
今回は、ここまで。お読み頂きありがとうございました。