こんにちは、マグカメラです。
9月中旬に購入した便利ズームAF-S28-300mm F/3.5-5.6。使用開始3週目に突入したので、そろそろ使用感等をレビューしたいと思います。
ただ、先に結論だけ言っておくとこのレンズ……
かなり使えます!!
購入時のレビューはこちら!
AF-S 28-300mm使用感レビュー
使用前の懸念点
レンズにおいて便利さと画質はトレードオフ
このレンズを使う以上、大三元や単焦点と較べてある程度画質で不利があることは承知の上です。問題は、その画質劣化がどのレベルなのかということ。ありえないレベルなのか、我慢すれば使えるレベルなのか、はたまた僕の眼力では気付かないレベルなのか。
購入する前に、個人的には以下の点を気にしていました。
* 歪みはどれくらい大きいのか
画像の甘さ
ボケ量、ボケの雰囲気
逆光耐性
ファインダーの暗さ
ではそれぞれについて、実際撮影してみてどうだったのか見てみましょう。
歪曲について:歪みは激しいものの十分補正可能
各焦点距離について、撮影時そのままの画像とLightroomでプロファイル補正を入れた画像をそれぞれ並べてみます。
Lightroomでの処理は、ここのチェックボックスをチェックをいれただけです
28mm(広角端):盛大な樽型収差
かなり派手な歪曲ですが、プロファイル補正でかなり歪みが消えてるのではないでしょうか。
35mm:僅かな樽型収差
35mmまでズームすると樽型収差は僅かに残る程度まで改善します。歪みよりも周辺部の光量落ちの方が目立つ結果になっていますね。
50mm:陣笠収差
収差の種類が樽型から陣笠系に変わりましたね。こちらもプロファイル補正でほぼほぼ改善します。
105mm:陣笠収差
壁に近寄り過ぎたので、少し離れました。依然、派手な陣笠収差が発生していますが、こちらもプロファイル補正でかなり改善します。
200mm:陣笠収差が少し改善?
200mmまで伸ばすと、陣笠収差が少し改善傾向?
補正すればほぼ収差が消えます。
300mm:わずかな陣笠収差
陣笠収差がましになりましたが、周辺減光は大きいですね。
ということで全焦点距離に渡り、歪曲の発生・周辺部の露出低下といった傾向がみられます。ただ、いずれもプロファイル補正のクリック一発であらかた修正できるので、実用上致命的な欠点にはならないかなあと。
精密な画作りをされる方やJPEG撮って出しの方には、おすすめできないかもしれませんね。
Raw現像なら全然問題ないです。僕なんか自然物を撮影している限りではここまで歪んでいるとは全く気が付かなかったくらいですから( ´∀`)。 もちろん、真っ直ぐな被写体に対しては確かに多少歪んでるのは気づいてしまいますが……まあ補正すると思えば気にはなりません。
画像の甘さ:カリカリとまではいかないが十分解像する
解像度の確認として、レンズにとって意地悪な被写体、密集した花の作例を元に解像度を確認してみましょう。
この元画像に対し、1:2でトリミングしてみると……
まあまあじゃないでしょうか。滅茶苦茶解像している訳ではないですが、個人的には決してNGではないです。全く気にならないレベル。
ちなみに僕の手持ちレンズで最も解像度が高いであろうCerl ZeissのMakroPlannarで同じサイズのトリミングを行うと次のようになります。
おお、流石Cerl Zeiss!!
でも、これって同じ条件ではないですよね?AF-S28-300mmの方は密集した被写体であるのに対して、Cerl Zeissは数本の花だけにフォーカスしています。
Cerl Zeissで密集した花を撮っていなかったので、AF-S28-300mmの方のサンプルを変更してトリミングしてみると……
おお!!負けてないじゃないか便利ズーム!!
ということで、カリカリに解像する訳ではありませんが、甘いと指摘されるような画では決してありません。むしろカリカリすぎずちょうどいいかもしれません。
ボケ:量は十分!丸ボケもきれいな円形で問題なし!!
ボケのサンプルを数点紹介します。
後ボケ
前ボケ
似非マクロ風
個人的にはフルサイズのF3.5-5.6であればボケ量は十分でした。むしろ、もう少し絞りたいなと思うことのほうが今のところ多いです。
ただ、ボケ具合は「トロトロにぼけてる!!」と感動するような感じではないですね。
印象としてはオリンパス時代に使っていた標準大三元M.ZUIKO 12-40mm F2.8と同じような使用感。あれも、ボケに感動する訳ではないものの、表現としてのボケ量は十分といった印象でした。でも、こっちは28-300mmの焦点距離をカバーしているのだから断然便利ですよね。(まあ、そもそもサイズが全然違いますが……笑)
また、丸ボケもキレイな円形です。
これは以外でしたね。ラグビーボール型の丸ボケになるのは覚悟の上で購入しましたが嬉しい誤算。レンズ購入翌日の撮影で、意識せず丸ボケが発生したこの写真
背面液晶を見た瞬間、思わず小躍りしてしまいました笑
逆光耐性
これも大事ですね。逆光マニアとしては、逆光での撮影性能が使い物になるかは非常に大きい問題です。
ということで、彼岸花しかサンプルがなくて申し訳ありませんが、どうでしょう。プロテクトフィルターをつけた状態でもフレア・ゴースト問題ないと思います。
使えますね!!
ファインダーの明るさ:特に気にはなりませんでした
今まで大口径単焦点や大三元ばかりつかっていたため、撮影時のファインダーの明るさに一抹の不安を覚えていたのですが……全く問題ないですね。
単焦点レンズをF3.5の状態でプレビューした時はかなり暗く感じたのですが、最初からだとこうも気にならないものですね。
不安な方は家電量販店等で実際に試すことをおすすめしますが、個人的には全く問題ではありません。使い終わった後、レンズのレビューを考えている途中で「あ、そういえばファインダー暗くなてるんだっけ??」と思い出したくらいです。
その他:AFは遅い
AFについては購入前特に意識していなかったのですが、実際使ってみるとかなり遅いですね。
「スッ」とは合わないです。「ジーーーピタッ」という感じ。感覚的すぎる説明で申し訳ありませんが……笑
今まで大三元や小三元ばかり使っていたのもあると思いますが、明らかに1段、2段遅いスピードです。この点だけは購入前に注意が必要です。
マグカメラ的まとめ
ということで、便利ズームAF-S 28-300mmの使用レビューでしたがいかがだったでしょうか。
個人的にはかなり使えるな、という結論。久々に大満足のレンズです。当分はこのレンズを付けっぱなしにすることになると思います。
このレンズでこれだけ写せるなら望遠小三元70-200mmはドナドナかもしれませんね。欠点は歪みとAFですが、歪みは補正できますし、小三元広角端でもかなり発生してました。AFは挽回しようがないですが、使用できない程ではないです。動きの激しい被写体を取らなければそう問題はないと思っています。
ただ、一方でまだ2週間ちょっとしか使っていないため全面的に信頼できていないのは事実。どうしても大口径単焦点を念のためカバンに忍ばせてしまいます。
便利ズームだけ持って出かけることが増えてきたらまたレビュー記事なり追記なりしたいですね。
今回はここまでです。ご拝読頂きありがとうございました。
※追記:本レンズですが、2019年に手放しました。
使っている内に、ほかのレンズに対し解像度が低いことが気になってしまったのが、その理由です。歩留まりが低いというか。。。代わりに軽量望遠ズームレンズAF-P 70-300mmを購入しました。利便性は劣りますが、軽くて解像感もあっておススメです!