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Nikon Fマウントで使えるマクロレンズ13本をまとめてみる

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こんにちは、マクロレンズが欲しくて仕方がないマグカメラです。

カメラを初めてもう4年間が立つのですが、これまで購入したマクロレンズはCerl ZeissのMakro-Plannar 50mm f2.0のみ。

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このMakro-Plannarはマクロと名前がつくものの、実際はハーフマクロです。寄れて便利なのですが、被写体と同じサイズの像をそのままセンサーに写すことのできる等倍マクロとは、やはり天と地ほどの差があります。所謂「マクロ撮影」的な用途にはやっぱり使えません。

そろそろ本格的な等倍マクロレンズが欲しいなあ・・・と思っていたところに、やってきた婚約結婚式といったイベント。そう、これらのイベントにかかせないのが指輪の存在!!

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指輪みたいな小さいものを撮影しようと思うとどうしたって、マクロレンズが必要なんですよね。婚約指輪は、指輪店の人は撮影してくれたのですが、結婚指輪くらいは自分で撮影したい!!

ということで、等倍マクロレンズを本格的に探し始めたのですが、毎度のごとくレンズ選びって悩みますよね・・・!

今回は、Fマウントで使えるマクロレンズについて、色々調べて比較・検討した結果をまとめたいと思います。僕のように初めてのマクロレンズを検討している方の参考になれば幸いです。

最初はやっぱり標準マクロ!?

①Nikon AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

まず、マクロレンズを購入しようか迷って一番に検討したのがNikonが誇るマクロレンズの銘玉AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

執筆時点の価格ドットコム情報ではNikonのマクロレンズで最も売れているこのレンズです。

2008年の登場から今も売れ続けていることからも、その写りは折り紙付き!ボケ描写の評判が良く、ナノクリスタルコートにより逆光耐性も十分で、レンズの質としては心配点はありません。

このレンズの一番の売りはやはり60mmという使いやすい画角でしょう。初めてマクロレンズを使う人間にとって不安なのは「マクロ撮影の機会がそんなにないんじゃないか?」ということですよね。マクロ撮影でしか使えないレンズを買って、気がついたら防湿庫の肥やしになっている・・・なんてことは避けたいはず。その点で、標準域かつコンパクトなこのレンズなら安心です。お散歩レンズとして普段使いしながら機会を見つけたらマクロ撮影なんて運用ができます。

標準域で、小さくて、それなりに明るくて、寄れるという万能さはまさに僕のお散歩レンズの理想形。いつか絶対買うと決めています。しかし!

『今でしょ!!』と某塾講師のように行けない理由が1点。先程ちらっと書きましたが、このレンズの登場は2008年。少し設計の古いレンズなんですね。そして、新型の噂が度々流れています。

digicame-info.com

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この新型にVR(手ぶれ補正)が搭載される可能性があるんです!!

うーん…手持ち撮影をメインとするお散歩レンズ的には手ぶれ補正があるとなお嬉しい。悩むなあ…。

その一方で、60mm microの新型は噂ばかりが先行して、実際発表される見込みは全く未定であることも事実です。特に今年、来年あたりはNikonは先日発表したフルサイズミラーレス用Zマウントレンズ開発にリソースを割くはず。

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買って間違いはない、けどいつ買うべきか悩ましい。そんなレンズですね。

ちなみに、Fマウントの標準マクロはこの純正60mm f2.8しか選択肢がありません。SIGMAから70mmのカミソリマクロと呼ばれるレンズがあったのですが・・・

既に廃盤で中古しかありません。後継の新型がARTレンズで出ているのですが・・・なんとFマウント用が販売されていないとのこと!!

どうやらNikonのフォーカス方式(前玉繰り出し+フローティング)とフォーカスバイワイヤの相性の関係でFマウント用が作れなかったようです。うーん・・・といった感じですが、純正60mmが評判も良くそこまで高価でもないので、「まあいいか」といった感じ。

ということで、Nikonで標準マクロを探すのであれば。この60mmを今買うか、後継機まで待つか、の2択というのがマグカメラ的な結論です。

マクロの王道、中望遠!

マクロレンズの中で一番のボリュームゾーンこそ、中望遠域!

60mm microレンズは「寄れる」ことをメリットとしてあげましたが、これはお散歩レンズとして使いつつ「寄れる」という意味です。反対に、純粋なマクロ撮影専用レンズとして使う場合、焦点距離の関係上被写体との距離をかなり詰め「なければいけない」というデメリットとも言えます

マクロレンズで鳥や虫などを撮る場合、あまり距離を詰めたくありません。そういう点で、焦点距離の長いレンズの方がマクロ撮影しやすい訳ですね。

ただ、望遠すればするほどレンズが大きくなって取り回ししにくくなる。丁度釣り合いが取れるのが、ここで紹介する中望遠域なのだと思います。

ある程度のワーキングディスタンスを保ちながらマクロ撮影できるのが人気のポイントな訳ですね。

②Nikon AF-S VR Micro Nikkor 105mm f/2.8 G IF-ED

まずは純正の最新Gレンズ。最新といっても2006年発売のためもう8年選手です。先ほどの60mm micro発売から2年前のリリースな訳ですね。

ただ、60mm/2.8Gの二年前に発売したにも関わらず、このレンズはVR設定……そう、3.0段分の手ぶれ補正が搭載されているんです。マクロレンズへの手ぶれ補正搭載は、これが世界初なんだとか!

60mmより焦点距離が長い分手ぶれに弱くなってしまうからこそ、VR搭載は嬉しいですね。

公式ページによると撮影対象に近付く程手ぶれ補正の効果は減っていくそうです。が、ヨドバシで試したところ、手ぶれ補正オン/オフ時でそれぞれ明確に差がありました。補正を使えば、1/30秒もなんとかいけそうな感覚ですね。やっぱりVRは素晴らしい!

VRあり、ナノクリスタルコートあり、写りよし、の全部盛り。このスペックなら、買って後悔することはありません。間違いなく買うべき!

・・・といいたいところなのですが、このレンズ唯一の欠点は実売価格10万円というその価格。フルサイズの単焦点、それもNikon純正の金帯付と考えると妥当といえなくもないですが、マクロレンズという領域でくくってしまうと高価な部類に入ってしまうのは事実。鏡筒が倍くらいある望遠マクロ並みの価格レベルですね。

マクロをやるならば間違いはないレンズ。ただ、マクロを続けるか分からない初心者が最初に買うにはちょっと二の足を踏む価格、というのがこのレンズの総括です。まあ、最初から良いものを買っておくのが、結局は一番経済的だったりするのですが笑

③TAMRON SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F017)

で、もう少しお財布に優しいレンズを探す際に助かるのがTAMRON!

トロトロのぼけの美しさからタムキューの愛称で長く人気を誇っている銘玉の最新型です。写り良し、手ぶれ補正あり、防塵防滴まで採用!AF-S 105mm micro VRと肩を並べられる性能でありながら実売6万円ちょっとと、3万円~4万円程安いのが素晴らしいです。先日購入したTAP-in Consoleにも対応しているので、自宅でピントや手ぶれ補正モードのカスタマイズもできるのもポイント

www.magcamera.com

ちなみに1979年からの長い歴史を誇るタムキュー。2016年発売の新型でで7世代目になるわけですが、光学系自体は一つ前のモデルから変更がありません。じゃあ、なにが変わったのかというと・・・手ぶれ補正。手ぶれ補正自体は前モデルにも搭載されていたのですが、この最新型からは加速度センサーを追加し、一般的な角度ブレだけでなくシフトブレも補正できるようになりました。これにより、マクロ域での手ぶれ補正性能が向上!2010年発売の純正105mm microの手ぶれ補正よりも、マクロ域での信頼性は高いかもしれませんね。

ちなみにタムキューの弱点と言われていたダサ・・・少し無骨なデザインも新SPデザインで一新。SP 24-70mm f2.8 G2と同じ、ルミナスゴールド(どう見てもシルバーとかプラチナに見えるけど笑)のブランドリングを基調としたモダンなデザインで格好良いですね

ちなみに、前モデルのデザインはこんな形。

④TAMRON SP 90mm F2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F004N)

価格ドットコムの実売価格はこれで、最新型のF017と変わりません。新品購入なら新型一択だと思います。ただ、中古だと3万円代で手に入るようです。新品にこだわらない、デザインは関係ない、という方なら中古購入はありですね!手ぶれ補正付きの中古マクロレンズでは一番安く手に入るモデルなのではないでしょうか

ちなみに、マクロはどうせ三脚使って撮影するから手ぶれ補正もなくて良い!AFだけあればそれで構わないから安く購入したい!!という方には

⑤TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO 1:1 (Model 272E)

2世代前のこのモデル!新品で3万円以下で購入できちゃいます。新品購入時のコストが一番ならこれですね

⑥NIKON AF MICRO NIKKOR 105mm F2.8 F/2.8 D

あるいは中古しかありませんが、純正の1世代前のDレンズ。Dレンズはレトロな見た目が格好良いんですよね。多少プラスチッキーな感じはありますが。

コストを重視するならこれらの型落ちもありです。

個人的には長く使えそうな最新モデルを選びたいです。中望遠域なら、純正AF-S VR Micro Nikkor 105mm f/2.8 G IF-EDかTAMRON SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F017) かなあ・・・

フィールド撮影の王様、望遠マクロ

ここまでくると、初心者が最初に手を出すレベルではなくなってきた望遠マクロ。

中望遠でもまだ短すぎる!もっと離れてマクロ撮影できないと被写体に逃げられてしまう!!なんて時に必要となるレンズなので、かなりプロフェッショナル色が強い焦点域ですね

ただ、望遠レンズって寄れないことが弱点に上げられやすいレンズです。がっつりマクロ撮影する訳でなくとも寄れる望遠として一本あれば便利であることは間違いありません。

youtu.be ※11分50秒くらいから

僕がマクロ撮影で撮ってみたい写真の一つに、写真家の江口愼一先生の蜘蛛の巣のような表現があります。憧れのマクロ写真ですが、動画では望遠マクロにエクステンションまで付けて撮影されていますね。

⑦NIKON Ai AF Micro-Nikkor 200mm f/4D IF-ED

まずは純正ですが、なんと未だにDレンズが最新型!流石、望遠マクロ・・・需要が特殊過ぎて完全に後回しですね笑

古くても画質が良ければまあ良いのですが、笑っていられないのがその価格。このタイミングでDレンズを購入するのに、17万円前後というのはかなりハードルが高いです

Dレンズなので当然ナノクリスタルコートも手ぶれ補正もありません。防塵防滴もないし、AFは遅く、フルタイムMFも対応なし・・・これで17万円はこの後紹介するサードパーティー製と比較するとかなり見劣りします。f4というF値も他と比べると苦しいですね。200mmもあればf4でも十分なボケは得られそうですが。

⑧TAMRON SP AF180mm F3.5 Di MACRO 1:1 B01

純正に対して10万円~12万円で新品購入できるTAMRONの望遠マクロ。中古だと、4万円代で購入できる破格の望遠マクロですね。コストで望遠マクロを選ぶならこれ一択です。古いレンズなので手ぶれ補正はありませんが、三脚座はしっかり設定されています。

⑨SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG OS

⑩SIGMA APO MACRO 180mm F2.8 EX DG OS HSM

はい、結論を言います。極端なコスト重視でない限り、SIGMAの150mmあるいは180mmが望遠マクロレンズで一番のおすすめです

見ての通り、F2.8を達成しているのはSIGMAだけ!でありながら新品価格10万円~12万円レベルに抑えられたコスト。流石に中古価格では古いだけ合ってTAMRONには負けますが、何よりSIGMAにはOS(手ぶれ補正)が付いています。望遠域で手ぶれ補正が付いているのもSIGMAdだけ!それでありながら三脚座もしっかりついています。

個人的には、望遠域ならSIGMAが現状一番良さげに見えますね。

面白マクロレンズたち

ここからは焦点域では分けられない、個性が際立ったマクロレンズたちを紹介していきたいと思います。正直一本目に買うには適さないと思いますが、あまりに特殊すぎてついつい調べてしまった個性的なレンズたちです笑

⑪Ai AF Zoom Micro Nikkor ED 70-180mm F4.5-F5.6D

なんと唯一無二のズームできるマクロレンズ!!残念ながら、新型の発売は終了していますが中古でならまだ手に入ります。古いレンズながらも評判のよかったZoom-microレンズ。

ズームによってピントがずれず、露出も変わらないという驚異のレンズです。ちゃんとAFもありますので、立ち位置を引きながらズームすることで、背景だけぼかしていくような操作もできるとのこと。

ズーム域もかなりいいところを付いていて70mm~180mmと、今回紹介した標準~望遠まで全て占めています。正直かなり欲しいです。先程望遠マクロならSIGMAと言いましたが、正直僕は望遠マクロ単焦点を使い込むことはなさそうです。だったら、一本で2度、いや3度以上美味しいこのzoom-microの方が合っているんじゃないか?と思いますね。

中古でしか手に入らないので、これから定期的にチェックして状態の良いものがあれば迷わず手に入れたい一本です。

⑫LAOWA 15mm F4 Wide Angle Macro with Shift

Nikonのzoom-microも大概変態レンズでしたが、LAWOAのマクロレンズは最早狂っています。MF専用レンズですが、上下±6mmまでのシフト機構を備えており、無理な体制をとることなく花を下からあおり撮影できます。それもマクロ域で!

かなり狭いニーズを攻めてきた印象のこのレンズ。欠点としては、このシフト撮影はAPS-C撮影時専用の機能である点。僕の使うDfのようなフルサイズカメラでは、普通のマクロレンズとしてしか使えない・・・わけではなく!!

そもそも35mmという広角でのマクロレンズが珍しいです。しかもこのレンズ、等倍マクロではなく2倍マクロレンズなんです。センサー上に実物の倍のサイズの像を写せる世界・・・どんな写真が撮れるんだろう・・・。フルサイズで使っていてもやっぱり特殊なレンズですね。

⑬LAOWA 25mm F2.8 2.5-5X ULTRA MACRO

なんと驚異の5倍マクロレンズ・・・一体どんな絵が撮れるんだ!?

最低撮影倍率が2.5倍、無限遠がでないためマクロ撮影以外はできない、ととにかくピーキーなレンズ。

これだけ突き抜けたスペックは面白いですね。文句なしに、このレンズでしか撮れない絵があるはずです

初めてのマクロレンズには絶対に適さないけど!

マグカメラ的まとめ

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ということで、色々マクロレンズを探してみましたが奥が深いですね、マクロの世界・・・

個人的に欲しいレンズは、

  • ①Nikon AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
  • ②Nikon AF-S VR Micro Nikkor 105mm f/2.8 G IF-ED
  • ③TAMRON SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F017)
  • ⑪Ai AF Zoom Micro Nikkor ED 70-180mm F4.5-F5.6D

の4本です。

最初の一本としては、中望遠域の純正105mmかTAMRON90mmが良いかなあと思っていますが、実際に何を買ったのか・・・については後日紹介したいと思います。

記事を読まれてなんとなく検討がつくかも知れませんが・・・笑

今回はここまでです。お読み頂きありがとうございました。